「っうわ」

がたがた。

突然床が揺れ始めた。床だけじゃなくって、壁も天井も一緒にだけど。
地震だ。

「最近多いよねー…」

がたがた。

誰に言うでもなく、なんとなく呟く。
おー結構揺れてる。震度4くらいあるかな。

「クフ。、こんな時は『きゃあ、骸様〜怖ぁい』とか言って抱きついてくれて一向に構わないんですよ?」

うわあ、変態が此処にいるよー!なにも声色まで変えて言わなくたっていいんじゃないの?
千種も遠巻きに見てないで助ける!犬ちゃんも机の下で勝手に盛り上がらない!其処の変態も目を輝かせてこっちを見ないの!
なんかこのままだと無理矢理でも言わされそうなのでとりあえずそうなる前に言っておこう。うん、かなり不本意だけれども。

「きゃー骸サマ、怖いー」

思いっきり棒読みで正面から骸に抱きついてやれば、少し嬉しそうな顔をした。
え、こんなのでも嬉しいの?

「クフ」
「ぐぇっ」
「何ですかその蛙が潰された様な声は。」
「正確にはが潰された声です。」

なにも苦しくなる程抱き締めなくたっていいじゃない。

「本当は逞しいですね。地震でも、雷でも、ぎゃあぎゃあ騒がないですから。」
「…悪うございましたねー。ちっとも女の子らしくなくって。」

別に分かってるからいいもん。私はそこいらの女の子達みたいにはなれないもの。
地震は騒いだって起きる。雷だって騒いだって落ちる。
なにも無駄な行動する必要ないでしょう? こう考えるとやっぱり私女じゃねーよ、って思えて悲しくなるけど。

でもね、

「そんなことありませんよ。素直なは十分女の子らしいですから。クフフ」

こうやって貴方に押し倒されて、この後のことを考えた時だけ女の子になれる気がするんだ。







    シンデレラ
           の
             魔法


(貴方の言葉は魔法の呪文)



:私にギャグ調は無理だ。: